So-net無料ブログ作成
検索選択

長州砲 10ヶ月の里帰り展示を終え英国へ (追記) [史実]

 1864年の長州藩と四ヶ国連合艦隊の、いわゆる馬関戦争の際に使用された青銅製の「長州砲」が英国へと戻されるため荷造りされた。この大砲は昨年の明治維新(1868)140年と日英国交150年の記念行事の一環として里帰りが実現し、山口県萩博物館で今年5月まで展示されていたものだ。(2009.6.2山口新聞)

 馬関戦争とは1864年(元冶元年)7月、攘夷の名の下に前年より関門海峡を封鎖していた長州藩に対して、英をはじめ仏蘭米の四ヶ国の連合艦隊が下関の砲台を艦砲射撃で沈黙させた後、陸戦隊が上陸占拠した事件のことである。この戦争により、長州藩は外国の知識と技術を進んで取り入れ、倒幕へと政策を転換させた。

 

1.jpg

『英国海軍陸戦隊により占拠された長州藩前田洲崎砲台と現在の前田砲台跡』

 完膚なきまでに叩かれた長州藩であったが、講和交渉に赴いた高杉晋作により連合国が提示した彦島の租借だけは断固として拒否し、これを退けることに成功した。晋作はアヘン戦争後の清国に文久2年(1862)幕府の随行員として渡航している。この時、欧米に植民地化された清国の実情を自分の目で見てきた経験が生かされ、欧米諸国に土地を租借する事の意味を深く理解していたからである。(この話は記録にないため真否の程は定かでないが、当時の英仏の外交を見ればあながち作り話とも思えない。)

 四ヶ国艦隊により、ほとんどの長州砲が破壊されることになりましたが、現在2門の大砲だけ現存しています。一つはパリのアンヴァリド軍事博物館が所蔵していて、これは山口県下関市みもすそ川公園(壇ノ浦砲台)に飾られているレプリカと同型のものであります。もう一つが、今回里帰りをしていた大砲です。普段はイギリスの王立大砲博物館に展示されているとのこと。

 今回の英からの貸与に関しては、レンタル料も支払われたということです。いくら戦利品とはいえ、自国の歴史的文化財に対してお金を払って借りるというのも何だか変な話だと思った次第です。もっとも英の王立大砲博物館が大切に所蔵しているのなら、最近頻繁に取り上げられる略奪文化財がオークションに出品されるケースと同じことは起きないだろうと安心は出来るのですが。

追記 

 平成29年4月時点での山口県下関市前田町の史跡前田砲台跡地は整備途中であった。 見学用駐車場が使用出来なくなっており、一昨年に新たに史跡碑が建立されているだけだが、昭和天皇行幸地碑等を生かし、雰囲気的にはみもすそ川公園同様に長州砲のレプリカが設置される可能性もありそうだ。

 壇ノ浦古戦場に面したみもすそ川公園内には、昭和59年に仏国パリ・アンバリッド軍事博物館より貸与された実物の長州砲をコピーしたレプリカが展示されている。

IMG_0843.JPG 

『みもすそ川公園内の長州砲のレプリカ 当時外務大臣だった安倍晋三首相が尽力したが本物の返還は拒否されたことが案内板に書かれている』 

IMG_0845.JPG 『レプリカの80斤加農砲の一つが100円で発射音と砲煙の演出を楽しめます 事情を知らない近くにいた子供たちがかなり驚いておりました』

 また、実物の方は昨年開館した下関市立歴史博物館で現在「高杉晋作没後150年記念企画展『焦心録』」 にて展示されています。

*平成29年4月8日写真と記事を追加しました。 

関連記事

松陰神社宝物殿 愛称「至誠館」と決定(2009.2.27) 

*本文と写真の無断転載は厳禁とします。


心に感ずるものがありましたら、応援お願いします


nice!(8)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 8

nice!の受付は締め切りました

コメント 4

sig

こんばんは。
これはまた珍しい写真ですね。
それに、実に鮮明ですね。驚きました。
by sig (2009-06-02 23:39) 

Yubarimelon

sigさん、コメントありがとうございます。

最初に記事の訂正をしたことをお詫びしなければいけません。写真の説明文に「フランス海軍」と書いたのを「イギリス海軍」に直しました。良く観ると写真中央左よりの兵士が抱えている国旗が明らかに「ユニオン・ジャック」でありました。

この写真を撮影した人物が英国の写真家フェリックス ベアトであったので、戦場カメラマンとして同行してるならフランス海軍であるのはおかしいと思ったからなんです。ベアトは横浜居留地に写真館を建て、幕末の日本の風景写真を数多く残してる人です。この馬関戦争の写真は日本が舞台となった最古の戦場写真だと思われます。
by Yubarimelon (2009-06-03 00:44) 

わかまろ

高杉晋作万歳ですね。当時の欧米のアジア諸国に対するやり方はひどかったですからね・・・。
しかし・・イギリスの博物館は世界の盗掘品で成り立っているとも聞きましたが・・。
by わかまろ (2009-06-03 14:23) 

Yubarimelon

わかまろさん、コメントありがとうございます。

私もこのエピソードを知って高杉晋作のことが好きになりました。
by Yubarimelon (2009-06-04 00:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0