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伊達の黒箱 寛文事件の公文書が仙台市博物館企画展に展示 [topics]

 大正10年に大槻文彦の『伊達騒動実録』(以下『実録』)を否定し、原田甲斐忠臣説を世に問うた『先代萩の真相』が岩手県磐井郡出身の田辺実明によって著された。この『先代萩の真相』(以下『真相』)は、『実録』を読んだ田辺が、その膨大な史料の解釈に異論を持ったことが、書かれた動機であったという。すなわち、『真相』は『実録』の史料を前提にして書かれている点、またその内容と量から見て、伊達騒動第一の研究書である『実録』に相対する書として位置付けられるものといえる。

 『真相』が書かれたもう一つの動機をつくったのが、幕末の仙台藩若年寄から仙台藩大参事になった増田繁幸に聞かされた以下の話であったという。「明治4年頃、増田は伊達家が代々厳重に保管してきた黒塗りの箱に収められた文書を点検する機会があった。文書の中身は寛文事件の秘文書で、これまでの通説を真っ向から覆すものであった。それは、伊達安芸が伊達式部との谷地境界争いに敗れた恨みから、幕府に提訴を企て、その実現の手段として兵部・甲斐らに対する非難・流言を利用したとあり、審問に召還された甲斐は、安芸の行為に憤激のあまり刀を抜くに至ったという内容であった。」

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